築年数が古いマンションは売りづらい？

世帯人数が減少している日本では、

部屋数の少ないマンションや一戸建ての需要が高まっている傾向にあります。

 

そのため、マンション戸数は年々上昇しており

都内だけでも685万戸を超えてきています。

 

その中でも築年数が40年以上、

俗にいう旧耐震のマンション戸数は115万戸にも上り、

全体の約17％を占めます。

 

マンション界も高齢化の波がやってきているのですね。

 

 

「売却事例」

 

賃貸を探されているお客様からの問い合わせがあり、

お話を伺ったところ、予算は駐車場込みで20万円。

 

弊社の近くの桜並木が綺麗な道路沿いのマンションを希望されていました。

 

ペット（小型犬）と一緒に住みたいとのことで、

35㎡以上、1階は不可なので2階より上階にあるお部屋で絞ります。

 

余談ですが、

賃貸でも売買でも希望条件を多めに仰ってくれる方が

検索をかけやすいので我々としては助かります。

 

早速その日から探し始めてみたのですが、

上記の条件にぴったりと当てはまる物件は中々見当たらず、

条件に近しいお部屋があっても見た目が好みではなかったりします。

 

また、少しエリアを広げて探してみると物件は出てくるのですが、

いまいちしっくりこない様子。。

 

切り替えポイント

 

試しに、購入の線で探してみたらどうか。

 

ご希望エリアは分譲賃貸や路面店も多く存在する

都内でも人気の観光スポットなのですが、

その分借り手も多く、

時期的にも物件が少ないという不利な条件がありました。

 

月に20万円の家賃を払うということは

年に240万円。10年だと2,400万円にもなります。

 

大家さんから借りて住んでいるものなので

古くなってもリフォームも出来ず

キッチンやお風呂などの設備が多少チープなものであっても

我慢をするしかありません。

 

更にペット飼育可能なお部屋が少ないんですよね。

 

それならば買ったほうがお得なのではないかとご提案をしてみました。

 

でも、そこまでまとまった資金もなく

不動産の売買は難しそうだからと敬遠をされていましたが、

探してみるとご希望条件に近いお部屋がいっぱい出てきました。

 

試しに内見をしてみようという流れになり、

実際にお部屋を見てみると内装の造りもしっかりとしていて

管理状態も良好なところが多いので

お客様が少しづつ購入の目線になってきているのが分かります。

 

こちらのお客様にはご兄弟がおり、

親御様から相続されたマンションにお1人でお住いとのこと。

 

還暦を過ぎているご兄弟が別々に住んでいるのなら

むしろ一緒に生活をされた方が安心できる面もあるのではないか、

と少々差し出がましい進言に最初は戸惑いもあったようです。

 

ただ、最近は家事やお散歩などが体に応えてきていると

世間話の中で仰られていたので、

あながち間違った方向性でもなかったご様子。

 

妹様とのご対面

 

様々なタイプのマンションを内見しているうちに

ご自身が住みやすいイメージの間取りや造りが分かってきました。

賃貸も併せると内見数は20件を優に超えています。

 

そんな折、区内でも屈指のヴィンテージマンションを見つけます。

 

そこは著名人も数多く愛したマンションであり、

築70年以上という年数が経っていても保存状態が良いことでも有名です。

 

また、リノベーションされたばかりのお部屋は南向きで明るく、

角部屋のため隣家の生活音にも気を遣わなくて良いことが決め手となったようです。

 

何度かのお打ち合わせの後に妹様にもお越し頂き、

購入の流れをご説明します。

 

妹様が住まわれているマンションは築4５年以上であり、

駅に近いという利点はあるものの

高層階にお部屋があるため耐震に不安があるとのことでした。

 

事実、地震の度にエレベーターが止まって困っていたようです。

 

相続をされてから40年以上生活をしていたお部屋は

経年劣化も激しく、ワンちゃんが壁紙や柱を傷つけていたり

洗面台にもヒビが入っていたりと、

人様に売れるものではないとお話しをされていました。

 

たしかに、そのままの状態で住みたいと思う方は少ないでしょう。

購入をされた方がリフォームをして住むにしても

現状からイメージが出来る方が早くに現れるとも限りません。

 

最近はリノベーションを施した築古のマンションが人気になってきています。

渋い外観とは裏腹に、

お部屋の中は流行りの設備やおしゃれな内装が若い層にも受けているのですね。

 

それに合わせて、

リノベーションを得意とする建築会社や内装業者も多くなってきています。

 

今回の狙いはまさにそこにありました。

 

人気がある駅の近くでオートロックは最近付けたばかり、

大通りに面しているため通勤通学や買い物にも便利。

更には高層階で南西角部屋という最高の条件。

 

お世辞にも綺麗とは言えない内装も

リノベーションを施せば

若い世代にも人気のマンションに生まれ変わるはずです。

 

早速買い取り業者を呼んで査定をしてもらうと驚愕の見積もりでした。

購入価格の2倍以上は跳ね上がっています。

 

40年以上前と物価は比べ物にならないにしても

至るところに老朽化が見られるお部屋の買い手が見つかるだけではなく

そのまま買い替え先の資金として充てられるほどの価格に皆さんびっくりしていました。

 

あれよあれよという間に売買契約も決まり、

今は広くなって使い勝手も良くなったお2人での生活にご満足されているとのことです。

 

今回の事例は条件が特段良かったことも幸いしていますが、

リノベーションをしてマンションの若返りを図るという事は社会貢献にもつながり、

次世代への応援にも、ご自身の幸福度を上げる結果にもつながることでしょう。

 

うちは古いからどうせ売れないだろうとあきらめる前に、

一度私どもにご相談してみるのも良いかもしれません。

 

ご家族の新しい素敵な未来が開けるきっかけになれるよう

最善策を一緒に探しましょう。